“小麦ふすま”で栄養補給+便秘改善

小麦ふすまとは小麦粒の表皮部分のことで、「ブラン」ともよばれています。小麦粒からふすまと胚芽が取り除かれた(精製された)ものが「小麦粉」です。
日常の食生活では摂取しにくい穀物由来の食物繊維を豊富に含んでおり、高い栄養価と糖質の過剰摂取を防ぐことが可能で、体の構成成分やエネルギー源にはならないため、以前は役に立たないかすとして扱われてきましたが、現在では、「第6の栄養素」といわれるほど、その働きに注目があつまっています。
あまり知られてはいませんが、小麦ふすま100g当たりカルシウムが約100mg(牛乳並み)鉄分が約15mg(ゆでたほうれんそう約750g=約2.5束分)も含まれており、いずれも日本人に不足しがちな栄養素をこれで摂取することができます。他にも鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅などの栄養成分が豊富に含まれています。
また、小麦ふすまに含まれる食物繊維は他の食品に比べ群を抜いており、主に「セルロース」と「ヘミセルロース」という種類のものが多く含まれています。不水溶性の食物繊維は、水分をたくさん吸収する性質をもつことから便をやわらかくして、便をすばやくスムースに排出させる働きをもっているため、便秘を予防し改善します。これによって便秘によって引き起こされる肌トラブルなどの解消も期待できます。

小麦フスマの主な栄養成分(100g当たり)
● 食物繊維 50g
● カルシウム 103mg
● 鉄 15mg
● マグネシウム 520mg
● 亜鉛 11mg

フィチン酸の作用で大腸がんにも効果

小麦ふすまに含まれているフィチン酸に注目し健康への効果を研究された、大阪府立成人病予防センターの石川秀樹氏が、「発がん予防と臨床試験」と題して、年々増加傾向にある大腸がんに対し、小麦ふすまによる食生活上での予防を講演で「これまでにもいろいろな栄養学的調査で小麦ふすまが大腸がんに有効との成績結果が出ている」とし、長年にわたる小麦ふすまによる研究成果を披露しました。
「小麦ふすまに含まれるフィチン酸ががんに有効ではないかと考えたことから研究され、フィチン酸は鉄やカルシウムと結合し、体内の吸収を阻害するものとしてこれまで悪者扱いされていたが、鉄は油の酸化を促す作用があるため、フィチン酸がこれを抑制する効果があるということが判明し、動物実験でもフィチン酸を投与すると、腫瘍発生の抑制が見られたという結果が得られたとのことです。