超強力小麦“ゆめちから”とは

食の安全や地産地消をはじめ、新たな特性を持つ国産小麦の需要が高まってきている中で、北農研(http://cryo.naro.affrc.go.jp/topics/yumechikara/)では、これまでに強力小麦よりさらに生地物性の強い「ゆめちから」を生み出し、超強力小麦を育成しています。この超強力小麦品種である「ゆめちから」を用いてつくった、強靱なタンパク質の特性を生かした生パスタが“ナトゥーラ”です。

“ゆめちから”の主な特徴

生地物性の強さの指標であるミキソグラムのピークタイム(PT)の値は、グルテニンサブユニット組成のGlu-D1とGlu-B3の組合せにおいて5+10とbを持っているために、“ゆめちから”は“はるゆたか”などに比べて手角なっています。
生パスタのゆで麺の硬さの値(破断応力)は、生地物性が強いほど高い傾向にあり、超強力小麦である“ゆめちから”は、他の一般市販粉や他の強力小麦品種に比べ麺が硬く、硬さにおいて優れた麺をつくることができます。
生パスタのゆで麺の粘弾性を示す破断応力/変形量(値が低いほど粘弾性が高い)は、野生型のWx遺伝子を持つ「北海259号」が高く、粘弾性が劣るのに対し、“ゆめちから”のWx-B1タンパク欠失タイプの品種・系統はこの値が低く、粘弾性において優れている。
生パスタの麺色の明るさ(L)は、タンパク質含量が高いほど低くなる傾向がある。明るさにおいては“ゆめちから”が優れています。ただし“ゆめちから”は多肥条件で小麦粉中のタンパク質含量が増加した場合、麺色の明るさが大きく低下する傾向があるため、一般的なパスタと比べた場合と色に違いが生じてしまいます。(Lの減少量=3.82)


※データ参照:独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター